図書館の進入図書コーナーで見つけたので、手に取った。
「伝書 しむらのいろ」とあった。
ご存じの方も多いでしょうが、天然染料を使って布を織っている人だ。
紬と錦の間合を詰めたところが評価された人と記憶している。
もちろん、天然染料にこだわってのことだ。
「草木染め」の方がわかりやすいかもしれない。
「草木染め」は山崎青樹という人が商標登録している。
だから原則的には他の人は使えない固有名詞のような物だ。
この本でもこの言葉はさけられている。
だから「しむらのいろ」だ。
その色が母から受け継いだ色であることを初めて知った。
柳宗悦の「民芸」運動の影響を受けたという。
それが簡単に母から子へ伝わったわけではない。
戦争ということもあった。
そういうことを越えて、今度は孫に伝えられてゆく。
それも簡単ではない。
まあ、天然繊維を使って、天然染色をし、それを作品として世に認めてもらうこと自体が簡単ではないのだけれど。
もう一つは、彼女が藍染めをするようになったのがかなり後であることだ。
桜染めなどの作品が世に認められてからだという。
絹や紬の作品が多かったからかもしれない。
まったりとして、緑に染まりながら読むことができた。
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