東日本大震災の折り、釜石市では人的被害が少なかった。
特に学齢期の子どもは、ほとんど亡くなっていない。
これを「釜石の奇跡」と呼ぶ。
その奇跡の元となった人が「片田敏孝」群馬大学の教授だ。
その人の講演会があったので行って来た。
面白かったし、ためにもなった。
初めに津波と交通事故の話があった。
交通事故では年間5000人が死んでいる。
これは1000年間に直すと500万人が亡くなる計算だ。
今度の津波は2万人の人が亡くなっているが、1000年に一度といわれている。
1000年に500万人が亡くなるリスクがあるからといって、自動車を運転することを止める人は少ない。
1000年に2万人が亡くなるからといって、津波が来る可能性があるところに生活し続けることを止めることは難しい。
その代わり、津波警報が出たら逃げることが大事。
こういうことは割とみんな理解している。
だが実際は逃げないではないか、と彼はいう。
だからこんな被害が出たのでしょ、という。
ここで、彼の話をすべて再録する気はない。
興味のある人は、彼の本を読んでほしい。
一つだけ、私なりに感心したことを書く。
地震に遭ったら、私は逃げるのだという気持ちを内発的に持たせるところまで教育しないとだめだということ。
この「内発的に」ということが大事だと思う。
また難しいところでもある。
その難しいところをクリヤー(100%でないにしろ)したことが、奇跡の奇跡たるゆえんなのだろう。
カウンセリングをしていても「自分が変わる」ことを内発的に分かってもらうことはとても難しい。
私も一度くらいは、奇跡を起こしてみたいと常々思ってはいる。
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