2014年4月30日水曜日

オルバースのパラドックス

オルバースのパラドックスというのをご存じでしょうか。
「夜空は明るくなければならない」と彼はいうのです。

夜空を見上げると暗い中に星が見える。
いや、先日書いたゴルフボールの話ではない。

本物の星の話だ。
夜空を見上げたときの視線の先には、必ず星があるはずだという。

何しろ宇宙は無限に広く、星は星の数ほどあるのだから。
だが実際は夜空は暗い。

なぜ暗いのか、物理学者が延々と論議してきたテーマだそうな。
その答えはエドガー・アラン・ポーが詩的に表現し、ケルビン卿が計算したとある。

つまり、ほぼ100年前には結論がでていた。
ところが人というのは不思議なもので、それでも繰り返し語られる。

しかも専門の天体学者、物理学者が大まじめで議論する。
あるいは、専門書が間違えた解説をしているのだそうな。

エドワード・ハリソンという天文学者は1987年『夜空はなぜ暗い?』(Darkness at Night) を著し現代の天文学の資料を基に計算をしなおした。
もちろん計算の結果、夜空は暗いとでた。

私がこの本を読んで???に思ったのは昼間が明るいことの説明だ。
「明るい太陽が地球を照らすから昼間は明るい」とあった。

なるほど専門家は初歩的なところで間違いやすいのだと悟る。
昼間の空が明るいのは太陽の輝度が高いからではない。

人工衛星から眺めれば、視界の一部に太陽があっても背景は暗いはずだ。
今日のような雨の一日、星空に思いを巡らすのも悪くはない。

もっとも宇宙の闇より、人の心の闇の方が深いと私は思う。

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