2013年10月19日土曜日

精神

「精神」という名の映画を見てきた。
想田和弘監督のドキュメンタリーだ。

監督の言葉で表現すると「観察映画」と呼ぶ。
フツー?のドキュメンタリーとどう違うかという点については専門家の方にお任せしたい。

制作者側の考えを、なるべく入れまいとする努力は感じる。
それでも編集作業はせざるを得ないわけだから、程度の問題ともいえる。

むしろそこにこそ監督の意図、あるいは意志があるのかもしれない。
内容は地方都市にある精神科の診療所が舞台。

そこに通う人たちと働く人たちの様子を、淡々と撮影している。
先ほど「制作者側の考えを、なるべく入れまいとする努力を感じる」と書いたが、映される側からの質問に監督が答えている場面場あった。

「健常者とあなた方との間にカーテンのようなものがあるのを感じる。それがなんなのかを知りたくて撮影している」と。
撮影している側と、されている側とがカーテンの隙間から手だけを伸ばして相手の顔をなでているかのような映像だった。

果たして、この映画にそれが映し出されているかどうか。
監督のするように、私もこの映画を評価することはやめよう。

ただこういう映像ができあがるだけの、撮る側と撮られる側との信頼関係には敬服する。
同時に、こういう映画を商業上映する「大黒座」さんにも敬服する。

映画の公式サイトはこちら。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/director.php

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